こんにちは、永田です。(@ trombonemusic11)
2019年12月1日 大阪府高槻市にある児童養護施設にて第1回目のコンサートを行いました。約30名の幼稚園から高校生までの子どもたちに演奏をお届けいたしました。メンバーによる愛のこもった楽器紹介、全員がやりたいと手を挙げてくれた指揮者体験、楽器体験など、子どもたちが音楽を心から楽しんでもらえるようにみんなで企画いたしました。クラウドファンディングはたくさんの方にご支援いただき子どもたちにプレゼントを渡すことができました。
コンサート当日に向けて
オーケストラのメンバー募集を始めたのが9月中旬。本番まであと2ヶ月という短い期間で練習は3回という条件でしたが、42名の方々から応募をいただきました。メンバー数名は以前から面識はありましたが、ほとんどの方が初めましてという状況でしたが音楽が大好きなみなさんのおかげで無事に本番の日を迎えることができました。
メンバーには中学、高校の吹奏楽部の先輩が2人、フィリピンで一緒に演奏した方、SNSの告知を見て応募していただいた方、本当に今回は一緒に演奏ができてとても嬉しかったです。ありがとうございました。
日本初演の曲
演奏曲目は子どもたちも馴染みのある、アニメの名探偵コナン、アラジン。そしてパプリカも歌付きで演奏しました。他にはテレビなどで聴いたことのあるクラシックの曲としてカルメン序曲、そして私が6年間暮らしていたフィリピン・セブ島で出会ったベルギー人作曲家のデイビッド・アンさんが作曲したCebu Adventures はセブ島の海や山の大自然を描いた音楽で今回が日本初演となりました。
作曲者からもメッセージ頂きました。
子どもだから知っている曲を演奏したほうが良いというセオリーもあるのかもしれませんが、知らない曲でもちゃんと話をして伝えれば想像したりして、子どもたちの世界を広げられるきっかけになると信じています。これからも色んなジャンルの音楽をバランス良く構成してプログラムを考えていきたいと思います。
リハーサルでお伝えしたこと
今回は新企画でオーケストラの立ち上げ1回目となるコンサート、メンバーもいろんな年齢、経験もそれぞれという感じでしたが短期間でいい音楽を作っていくために色々なお話をさせていただきました。まずは居心地のいいオーケストラにしたかったので、まずはメンバーには色んな方がいることを認識してもらうこと、もしも間違っても怖気づかないで欲しいこと、音楽というのは人の心の内面で行うことなので否定されるとその人自身が傷つくことになるということから、意見がある場合は誰かを非難をするのではなく助言や解決策を述べて下さいと伝えました。また音楽を一緒に奏でるということは同じ時間軸を共有しているから成り立つことということもお話しました。音の出るタイミングがずれるということは同じ時間軸に居ないからという理論です。哲学的対話のような何をいっても良い安心感というのを音楽の世界で作れたら良いなと思っていました。今回実現できたかはわかりませんがこれからもそのような雰囲気作りを心掛けたいです。
当日のこと
今回の企画は午前中に施設の倉庫の壁に自由に絵を描くというアート、午後からはオーケストラのコンサートというコラボ企画でした。午前中のアートの方をしてくれたのは世界各国で活躍されているグラフィック・デザイナーの馬場多絵さん。フィリピンでもワークショップを一緒に企画しました。そのご縁で日本でもご一緒させていただいていました。NPO法人GO FAR BANK のみなさんも来られていました。子どもたちは想像豊かに思い思いの絵を描いていましたし、オーケストラのメンバーの希望者も参加されて筆を持って描くことに没頭されていました。GOFAR BANKさんのブログ
そして昼食の後、少しだけリハーサルをしてコンサートが始まりました。1曲目は名探偵コナン、手拍子が子どもたちから自然に出てきて演奏も盛り上がりました。楽器紹介は各パートにお任せしていたのですがみなさん素晴らしいお話をしていただきました。そしてディズニー映画アラジンからフレンド・ライク・ミー、ホール・ニュー・ワールドを。
そして今日のために編曲がなされた初演のCebu Adventures.
カルメン序曲、指揮者体験ではほぼ全員が手を上げてやりたいと言ってくれましたが今回は6名の子どもたちに挑戦してもらいました。最後はみんな大好きパプリカ。盛り上がりました!幼い子どもたちは立ち上がって踊ってくれました。アンコールもいただきあっという間のコンサートでした。クラウドファンディングで集まった資金で購入した野球の備品も施設に手渡しました。ご協力いただいたみなさま、本当にありがとうございました。そして最後に楽器体験、色んな楽器に触れてもらいました。子どもたちにとって心に残る1日となっていたら嬉しいですね。
終わってから考えたこと
終演後、施設の先生から御礼のメールを頂きました。その中でこのようなことを教えていただきました。コンサートの夜に当直で泊まられていて、夜にいつもは静かであまり話さない子が今日のコンサート楽しかったと言っていたと、また大阪府の今の制度では中学生までは部活の補助金が出るが高校になると無くなるため中学生の時に吹奏楽部だった子が今は音楽から離れてしまったけど久々に音楽に触れられて良かったと話していたということ、楽器体験で久々に楽器を演奏できたということを知りました。今回の参加者の中にもどのように子どもたちと接したら良いかなと悩んでいた方もおられましたが、演奏会を終えて子どもたちと関わる中で自分が持っていた偏見がなくなったと話してくれました。これは私がこの企画を立ち上げた際の1つの目標である偏見をなくすということが達成できたということでもあります。人は年令を重ねるごとに経験は増えていきますが経験したことのないことに関しては、年齢関係なく経験をした人にしか分からない語れないことがあると思います。偏見は知らないということから始まると思うので社会にメスを入れていく心構えでこれからも音楽を通して、オーケストラという社会の縮図とともに様々な場所でプロジェクトを立ち上げていきたいと思っています。今回参加できなかった方はぜひ次回の企画に参加して下さい。実は関東でも活動してほしいというお声も頂いています。また決まり次第、情報を発信していきますのでよろしくお願いいたします。最後に今回のCozy Orchestraの第1期の企画に参加して下さった方々をご紹介して筆を置きたいと思います。
第1期オーケストラ・メンバー
木管楽器
竹内 幸
ピッコロ・フルート
深江 亮太
フルート1st
五角亜紀子
フルート1st
横田真歩
フルート2nd
吉村千賀子
フルート2nd
川瀬 千佳江
フルート2nd
長津 和歌子
オーボエ1st
村上みほ
クラリネット1st
正寺浩明
クラリネット 2nd
森下裕子
クラリネット 3rd
大西 羊子
ファゴット1st
西内基
アルトサクソフォン1st
三浦修一
アルトサクソフォン2nd
江島 つばさ
テナーサクソフォン
家垣吉孝
バリトンサクソフォン
金管楽器
巣張稚乃
ホルン1st
北川花穂
ホルン2nd
高島陽子
トランペット1st
上原新
トランペット2nd
松田佳子
トランペット3rd
大原義一
トロンボーン1st
鶴谷有美子
トロンボーン2nd
溝上 潤
バストロンボーン
諏訪園淳也
ユーフォニアム
服部祐介
テューバ
打楽器
小塚優美
ドラム・パーカッション
高戸伸也
ドラム・パーカッション
喜田悠太
ドラム・パーカッション
弦楽器
里山孝浩
1st ヴァイオリン コンサートマスター
里山育子
1st ヴァイオリン
長谷川真子
1st ヴァイオリン
隠崎 美由紀
1st ヴァイオリン
竹村尚里子
2nd ヴァイオリン
高木千明
2nd ヴァイオリン
北村 規子
2nd ヴァイオリン
松本尚美
ヴィオラ
畑亮一
ヴィオラ
内納令子
チェロ
碓氷宏美
チェロ
菅 紀子
チェロ
長津成秋
コントラバス
ボーカル&MC
亀井さとこ
写真・動画撮影
安田敦子
堺みのり
企画構成&指揮
永田正彰
みなさん、本当にありがとうございました!またご一緒いたしましょう。
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